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第18回物流施設の不動産市況に関するアンケート調査 – 一五不動産情報サービス

第18回物流施設の不動産市況に関するアンケート調査

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【不動産価格の見通し】

「横ばい」が63.7%で最多で、「上昇」が32.5%、「下落」が3.8%となった。「上昇」の構成比が減少する一方、「横ばい」が大幅に増加した。「横ばい」の見通しが支配的であるが、3割強の回答者が依然として強気の見通しである。また、不動産価格の業況判断DIは28.7ポイントとなり、前回調査から概ね横ばいである。

【賃料水準の見通し】

「横ばい」が61.2%で最多で、「下落」が22.5%、「上昇」が16.3%となった。「下落」の構成比は2014年7月から徐々に増加し、本調査で「上昇」の構成比を上回った。また、賃料水準の業況判断DIはマイナス6.3ポイントで、6年ぶりにマイナスに落ち込んだ。

1.物流施設の不動産価格の見通し

物流施設の不動産市況について、半年毎のアンケート調査を実施した。

物流施設の不動産価格について半年後の見通しを設問した(図表1参照)。本調査(16年7月)では「横ばい」が63.7%で最多となり、「上昇」が32.5%、「下落」が3.8%となった。前回調査に比べ「横ばい」の回答構成比が増加する一方、「上昇」と「下落」がともに減少した。不動産価格の見通しでは、前回調査と回答傾向があまり変わっておらず、「横ばい」の見通しが支配的であるが、3割強の回答者が依然として強気の見通しを崩していない。



図表1 物流施設の不動産価格の見通し(半年後)
図表1 物流施設の不動産価格の見通し(半年後)

出所:株式会社一五不動産情報サービス
注:Nは回答者数(サンプル数)を示す。


半年後の物流施設の不動産価格の見通しについて、それぞれの理由を確認する(図表2参照)。

上昇理由では「物流施設への活発な投資が続くため」が23回答で、前回調査に続き最多となった。次いで「資金調達環境が良好なため」が19回答で、前回調査の11回答から大幅に増えている。本年1月に導入されたマイナス金利政策が資金調達環境に影響していると考えられる。そのほか「投資対象となりうる高機能型物流施設の絶対数が少ないため」が9回答、「建設コストが上昇するため」と「物流施設の賃料水準が上昇するため」がそれぞれ6回答となっている。

横ばいの理由では「不動産価格が上昇局面から踊り場にさしかかるため」が35回答で最も多く、「賃料水準の見通しに大きな変化がないため」が20回答、「不動産投資市場の過熱感から、投資を控えるプレイヤーが増えるため」が14回答となった。前回調査と概ね同傾向であるが、最多の選択肢である「不動産価格が上昇局面から踊り場にさしかかるため」が前回調査の25回答から大幅に増加している。不動産価格は上昇局面から次のステージに移行するという意見が増えている。

下落理由では「開発ラッシュによる需給悪化が懸念されるため」が3回答となった。周知の通り、物流施設の新規開発は盛んであるが、不動産価格の見通しで「下落」を選択した回答者自体が少なかったこともあり、回答数としてはあまり目立たない。そのほかでは「日本経済の見通しが暗いため」が2回答、「不動産価格の上昇局面が終わり、下落局面に突入するため」と「物流施設の賃料水準が下落するため」がそれぞれ1回答となっている。



図表2 上昇・横ばい・下落理由
図表2 上昇・横ばい・下落理由

出所:株式会社一五不動産情報サービス
注:複数回答可で設問。また、左軸上の文章は、読みやすくするため、一部省略している。文章(全文)は、PDF末尾の回答用紙を参照。


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2.物流施設の賃料水準の見通し

次に、物流施設の賃料水準について半年後の見通しを設問した(図表3参照)。

本調査(16年7月)では「横ばい」が61.2%で最多で、「下落」が22.5%、「上昇」が16.3%となった。「横ばい」の見通しが支配的である点は前回調査と同様であるが、「下落」の構成比は2014年7月の回答者ゼロから徐々に増加し、本調査で「上昇」の構成比を上回った。賃料水準の見通しでは先行きを懸念する回答者が増えている。



図表3 物流施設の賃料水準の見直し(半年後)
図表3 物流施設の賃料水準の見通し(半年後)

出所:株式会社一五不動産情報サービス
注:Nは回答者数(サンプル数)を示す。


半年後の賃料水準の見通しについて、それぞれの理由を確認する(図表4参照)。

上昇理由では「ネット通販(メーカー・小売によるネット事業を含む)が、需要を牽引するため」が9回答で最多となり、「土地価格や建設費などの開発コストが上昇し、その分の賃料転嫁が進むため」が8回答、「高機能な大型物流施設の絶対数が少なく、堅調な需要が期待できるため」が7回答、「老朽化した保管型倉庫から、高機能な物流施設に需要がシフトするため」が6回答で続いている。ネット通販を牽引役に、高機能型物流施設の積極的な開発が堅調な需要を生み出すという意見である。そのほかでは、「飲食料品・日用雑貨・医薬品など、幅広い業種で需要拡大が期待できるため」が4回答、「日本経済の安定的な成長が期待できるため」が3回答であった。

横ばいの理由は「荷主・物流会社の賃料負担力に変化がないため」が34回答で最多となり、「新規開発による供給増と物流ニーズの増加が均衡するため」が22回答、「物流業界に大きな変化がなく、安定しているため」が10回答、「安定した物価動向が続くため」が5回答となっている。物流セクターの特徴のひとつである安定性に加え、物流施設の需給バランスが均衡していることが横ばいの主な理由で、前回調査と回答傾向に大きな変化はみられない。

下落の理由としては「物流施設の大量供給で、テナントの獲得競争が激化するため」が16回答となり、前回調査の8回答から倍増している。急増する開発計画が賃料下落に繋がることを懸念する声が増えている。その他の回答では、「高機能な物流施設の大量供給で、大型物件の希少性が薄れるため」が9回答、「マクロ経済が悪化し、物流施設への需要が減退するため」が4回答、「人件費の上昇で物流会社の利益が圧迫され、賃料の値下げ圧力が強まるため」と「圏央道以北など賃料が割安な地域への移転が増えるため」がそれぞれ3回答となっている。


図表4 上昇・横ばい・下落理由
図表4 上昇・横ばい下落理由

出所:株式会社一五不動産情報サービス
注:複数回答可で設問。また、左軸上の文章は、読みやすくするため、一部省略している。文章(全文)は、PDF末尾の回答用紙を参照。


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3.業況判断DI

不動産市況のサイクルを把握することを主眼として、日銀短観のように、不動産価格と賃料水準について業況判断DIを算出した(図表5参照)。

本調査(16年7月)における不動産価格の業況判断DIは28.7ポイントで、前回調査の27.3ポイントから微増である。他方、賃料水準の業況判断DIはマイナス6.3ポイントで、2010年7月以来の6年ぶりにマイナスに落ち込んだ。物流施設の大量供給によって需給悪化に陥る懸念があることから、賃料水準に対するマインドは後退する一方、良好な資金調達環境を背景に、不動産投資は依然として活発であることから、不動産価格に対する見通しはあまり変わっていない。


図表5 本アンケートの業況判断DI
図表5 本アンケートの業況判断DI

出所:株式会社一五不動産情報サービス
作成方法:日銀短観の業況判断D.I.を参考に、下式にて算出。
業況判断D.I.=「上昇」の回答者構成比-「下落」の回答者構成比

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4.物流施設開発に影響のある道路設備計画

国土交通省がまとめた平成29年度予算の概算要求によれば、公共事業関係費は6兆183億円で、前年から16%増となった。また、効率的な物流ネットワークの強化のため2,974億円が計上され、三大都市圏環状道路等の整備の推進などが掲げられている。東京オリンピックも控えていることも加味すると、大都市圏での道路整備は更に進むことが期待できる。財政健全化の議論はさておき、首都圏では圏央道の整備によって物流施設の開設が相次ぎ、物流立地戦略に多大な影響を与えたことは周知の通りである。そこで、本アンケートでは物流施設開発に影響のある道路整備計画に関して設問した。

東京圏では「外環道 三郷南IC~高谷JCT(2017年度開通予定)」が56回答で最多である。この道路は千葉湾岸と埼玉県を結ぶ幹線道路で、湾岸道路から常磐道までの走行時間は約40分から約15分へと大幅に短縮する。高谷JCTを擁する市川市だけでなく、船橋市、習志野市等の物流立地のポテンシャルは大きく向上するだろう。他方、千葉湾岸エリアには開発用地があまりなく、内陸エリアに比べ開発プロジェクトが少ない。今後は既存建物の建替えプロジェクトが徐々に進むことが期待される。

次いで「圏央道 境古河IC~つくば中央IC(2016年度開通予定)」が34回答となり、茨城県内での道路整備である。茨城県内の圏央道周辺は物流立地として冷ややかにみる向きもあったが、ここにきて開発計画の発表が相次いでおり、新たな物流エリアとして期待されている。

東京圏におけるその他の道路では「圏央道 藤沢IC~釜利谷JCT(2020年度開通予定)」が23回答、「新東名高速道路 海老名南JCT~御殿場JCT(2020年度開通予定)」は21回答であった。「圏央道 藤沢IC~釜利谷JCT」は神奈川県の内陸部から横浜港周辺へのアクセスが大幅に改善する幹線道路で、開通時期は2020年度と少し先になるが、注目される道路整備のひとつである。

「新東名高速道路 海老名南JCT~御殿場JCT」の注目度はやや低い。東名高速道路の渋滞緩和は期待できるものの、東名高速道路の通過地域はさほど変わらず、その他道路と比べると物流施設開発への影響は小さそうだ。

関西圏では「新名神高速道路 高槻第一JCT~神戸JCT(2018年度開通予定/2016年度完成目標)」が31回答となった。彩都地区ではプロロジスパーク茨木や三井不動産ロジスティクスパーク茨木など複数の開発計画が既に始動している。また、新名神高速道路の整備に合わせて、土地区画整理事業や産業団地の造成が相次いでいる。新たな物流集積地が次々と誕生する見込みで、関西圏では最も注目される道路整備である。

「阪神高速6号大和川線 三宝JCT~三宅JCT(2019年度開通予定)」は14回答とやや少ない。開削トンネル工事が難航し、開通予定が延期していることも若干影響していると思われるが、関西圏では期待される道路整備計画のひとつである。大阪府内では渋滞が慢性化している幹線道路が多い。内陸部と湾岸部の走行時間の短縮効果も大きいが、渋滞緩和効果が期待できる道路整備である。

本アンケートで取り上げた道路整備計画は、「外環道 三郷南IC~高谷JCT」を筆頭に回答者の関心の高さがうかがえた。すでに多くの物流施設の新規開発が道路整備区域において始動しているが、これらの施設が道路整備を通じ、効率的な物流ネットワークに繋がることを期待したい。


図表6 物流施設開発に影響のある道路整備計画

図表6 物流施設開発に影響のある道路整備計画
図表6 物流施設開発に影響のある道路整備計画(東京圏) 図表6 物流施設開発に影響のある道路整備計画(関西圏)

出所:株式会社一五不動産情報サービス
注:複数回答可で設問。

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■アンケート調査の概要、回答用紙につきましては、PDF末尾をご参照ください。

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