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物流施設の賃貸マーケットに関する調査(2017年4月時点) – 一五不動産情報サービス

物流施設の賃貸マーケットに関する調査(2017年4月時点)

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【東京圏】
今期(17年4月)の空室率は4.8%となり、前期の4.9%から0.1ポイント低下した。今期の新規供給は22.9万㎡に対し新規需要は23.5万㎡で、需給バランスは緩やかに改善している。
東京圏の募集賃料は4,260円/坪で、前期の4,170円/坪から90円/坪(プラス2.2%)の上昇となった。

【関西圏】
今期(17年4月)の空室率は11.7%となり、前期の5.9%から5.8ポイントの大幅な上昇となった。今期の新規供給は38.3万㎡で過去最大を更新する一方、新規需要は11.7万㎡に留まった。
関西圏の募集賃料は3,350円/坪となり、前期の3,450円/坪から100円/坪(マイナス2.6%)の下落となった。


東京圏の賃貸マーケット動向

(1)需給動向
 2017年4月の東京圏の空室率は4.8%となり、前期(17年1月)の4.9%から0.1ポイント低下した (図表1参照)。今期(17年2月~4月)の新規供給は22.9万㎡に対し、新規需要は23.5万㎡で、2四半期連続で新規需要が新規供給を上回り、需給バランスは緩やかに改善している(図表2参照)。

 具体的にみると、シーアールイーによる「ロジスクエア久喜Ⅱ」、「ロジスクエア浦和美園」および「ロジスクエア新座」が相次ぎ竣工し、「ロジスクエア久喜Ⅱ」に国内メーカー、「ロジスクエア新座」にビルディング・ブックセンターが入居した(*1)。また、三菱地所による「ロジクロス厚木」が竣工し三鷹倉庫と全棟賃貸借契約を締結(*2)、伊藤忠商事による「アイミッションズパーク守谷」の竣工(*3)、GLPによる「GLP川島」の竣工(*4)、プロロジスによる日立物流ファインネクスト専用施設の「プロロジスパーク古河2」の竣工(*5)が発表された。竣工前のプレリーシングも順調に進む案件が多く、2017年12月竣工予定の「プロロジスパーク市川3」は契約率が75%に(*6)、2018年2月竣工予定の「GLP流山I」で約3万㎡、2019年3月竣工予定の「GLP流山III」で約4万㎡の賃貸借契約が既に締結された(*7)。

 今後の開発計画では、三菱UFJリース、東急不動産、ケネディクスの三社による共同開発である「春日部物流センター」の着工(*8)、三井不動産とプロロジスによる「MFLPプロロジスパーク川越」の共同開発事業の決定(*9)、三菱商事都市開発による「MCUD川崎Ⅰ」の増築(*10)、三菱地所による「ロジクロス習志野」の着工(*11)が相次いで発表された。また、伊藤忠商事は東京都足立区で「アイミッションズパーク舎人公園」、千葉県柏市で「アイミッションズパーク柏」の開発に着手(*12)、野村不動産も東芝青梅事業所跡地で「Landport青梅Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ」を計画している(*13)。

 圏央道の周辺地域では数多くの土地区画整理事業が進んでおり、事業地内でディベロッパーが開発用地を入手する動きも広がっている。また、東京外環自動車道や国道16号線の周辺地域でも開発プロジェクトが増えており、東京圏では内陸部を中心に今後も開発ラッシュが続く見通しである。


201704_市況_図表1 東京圏の空室率の動向

201704_市況_図表2 東京圏の需給バランスの動向
出所:株式会社一五不動産情報サービス

1.2017年2月28日、4月17日、5月9日付 (株)シーアールイー プレスリリースより
2.2017年3月31日付 三菱地所(株) プレスリリースより
3.2017年3月31日付 伊藤忠商事(株) プレスリリースより
4.2017年4月17日付 グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(株) プレスリリースより
5.2017年4月27日付 プロロジス プレスリリースより
6.2017年4月19日付 プロロジス プレスリリースより
7.2017年5月23日付 グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(株) プレスリリースより
8.2017年3月22日付 三菱UFJリース(株)、東急不動産(株)、ケネディクス(株) プレスリリースより
9.2017年4月12日付 三井不動産(株)、プロロジス プレスリリースより
10.2017年4月13日付 三菱商事都市開発(株) プレスリリースより
11.2017年5月15日付 三菱地所(株) プレスリリースより
12.2017年3月31日付 伊藤忠商事(株) プレスリリースおよび現地看板より
13.2017年5月9日付 野村不動産ホールディングス(株)2017年3月期決算説明資料より


(2)賃料動向
 2017年4月の東京圏の募集賃料は4,260円/坪で、前期の4,170円/坪から90円/坪(プラス2.2%)の上昇となった。東京圏の募集賃料は3四半期連続の上昇である。 2017年2月に圏央道「境古河IC~つくば中央IC」が開通し、東名高速道路から東関東自動車道に至る6つの放射道路が圏央道によって接続された(*14)。圏央道周辺およびその以北の物流施設は割安な賃料設定でテナントを吸引するといわれ、旺盛な新規開発は東京圏全体の賃料水準を押し下げることが懸念されたが、上述の通り東京圏全体の募集賃料は堅調である。圏央道を含む環状線の整備が物流効率を高め、利便性が向上した東京圏で底堅い需要が顕在化するという好循環が続いている。

201704_市況_図表3 東京圏の募集賃料の動向 出所:株式会社一五不動産情報サービス
注:Nはサンプル数を示す。点線は各期の賃料サンプルのうち、上位10%と下位10%を結んだもので、賃料サンプルのバラつき具合を示す。

14.2016年12月20日付 国土交通省、東日本高速道路(株)記者発表資料より

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関西圏の賃貸マーケット動向

(1)需給動向
 2017年4月の関西圏の空室率は11.7%となり、前期の5.9%から5.8ポイントの大幅な上昇となった(図表4参照)。今期(17年2月~4月)の新規供給は38.3万㎡で過去最大を更新する一方、新規需要は11.7万㎡に留まった(図表5参照)。具体的にみると、ラサール不動産投資顧問、NIPPO、三菱UFJリースが共同で進めていた「ロジポート堺」が契約率30%で竣工(*15)したほか、複数のマルチテナント型物流施設が関西圏の各地で竣工した。今後の短期的な見通しとしては、翌期(2017年7月)に組み込まれる2017年4月~7月の竣工物件は、BTS型プロジェクトが多く、マルチテナント型物流施設のプレリーシングも比較的順調に進んでいることから、空室率は一時的に低下する見込みである。その後は2017年末にかけて超大型のマルチテナント型物流施設の竣工が控えており、空室率は再び上昇に向かう見通しである。

 今後の開発では、プロロジスによる「プロロジスパーク京田辺」の起工式(*16)、GLPによる「GLP寝屋川」は着工前に丸二倉庫と全棟賃貸借契約を締結、「GLP枚方III」の着工(*17)、ESRによる「ESR尼崎ディストリビューションセンター」の開発、阪急電鉄と三菱地所は「(仮称)彩都もえぎ物流施設計画」を共同で推進(*18)することが発表された。関西圏では新名神高速道路の整備が進んでいることもあり、内陸部での新規開発計画が相次いで発表されている。


201704_市況_図表4 関西圏の空室率の動向

201704_市況_図表5 関西圏の需給バランスの動向 出所:株式会社一五不動産情報サービス

15.2017年4月17日付 ラサール不動産投資顧問(株)、(株)NIPPO、三菱UFJリース(株) プレスリリースより
16.2017年5月26日付 プロロジス プレスリリースより
17.2017年3月9日、3月30日付 グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(株) プレスリリースより
18.2017年5月16日付 阪急電鉄(株)、三菱地所 (株) プレスリリースより


(2)賃料動向
 2017年4月の関西圏の募集賃料は3,350円/坪で、前期の3,450円/坪から100円/坪(マイナス2.9%)の下落である。 関西圏では過去最大の新規供給から需給バランスは緩和傾向で、募集賃料も弱含みである。なお、関西圏でも労働力が確保しやすいなど、その他物件と差別化が可能な物件では底堅い需要が期待でき、賃料水準も安定的に推移すると考えられる。

201607_市況_図表6 関西圏の募集賃料の動向 出所:株式会社一五不動産情報サービス
注:Nはサンプル数を示す。点線は各期の賃料サンプルのうち、上位10%と下位10%を結んだもので、賃料サンプルのバラつき具合を示す。


(3)新築物件の空室消化の見通し
 関西圏の空室率が急上昇していることを鑑み、新築物件の空室消化の見通しについて考察する。本調査における空室率の上昇要因は、需要の落ち込みではなく供給過多で、空室は新築物件に偏っている。新築物件の大半は高機能型で市場競争力は高く、本来であれば築年数が経過し老朽化した物流施設からニーズを吸引できるはずだが、移転はあまり起こらず、竣工物件での空室が次々と顕在化している。

 一般的に物流ネットワークのハブとなっている物流拠点の移設は、配送計画全体に大きな影響を与える。また、大規模な物流拠点では庫内にマテハン機器(*19)を導入しているケースも多く、物流拠点を移設する際は、改めて物流システムを構築する必要がある。加えて、物流現場では庫内作業を担うパート・アルバイトが必要であるが、その多くは施設周辺の居住者であることが多い。労働市場が企業側に有利な買い手市場であれば、拠点移設後の労働力の確保にさほど心配はいらないが、昨今の雇用情勢を鑑みると、移設後に労働力を確保できるかどうかを慎重に検討せざるを得ない。これらの事情が密接に絡み合ったことで、移転ニーズがあまり拡大せず、新築物件での空室が増えていると考えられる。

 とはいえ、物流現場における喫緊の課題は労働力の確保で、中長期的な課題も労働人口の減少にどのように対応するかである。これまでの物流施設の選定では、物流コストの最適化を主眼にモノの流れに沿った物件選定であったが、これからは労働力の確保も重視した、車とヒトの両面に配慮した選定となる。今後の労働人口の減少を踏まえると、雇用面に配慮された高機能型物流施設に対するニーズは底堅いだろう。

 また、物流分野では抜本的な省力化に繋がる技術革新が期待され、倉庫内をヒトの代わりに小型ロボットが動く次世代型の物流システムが注目されているが、広く浸透するには時間がかかりそうで、当面はこれまで物流現場の延長線上にある大掛かりなマテハン機器を導入する物流システムが選定されると考えられる。参考までに図表7はマテハン機器など物流システムの最大手であるダイフクのこの1年の株価指数(2016年5月30日を100とする)であるが、省力化需要を追い風にダイフクの株価は急上昇している。

 物流現場では、人手不足に対処するために、働く人にやさしい高機能型の物流施設が求められている。それに加えて、今後の労働人口の減少を見据え、物流現場では省力化を推進する物流システムの導入が迫られており、システム導入による物流業務の効率化を最大限に発揮するためにも、その受け皿となる大規模な物流施設が必要である。(物件間の格差はあるが)多くの新築物件の空室消化は徐々に進むことが期待される。

201607_市況_図表7 ダイフク・日経平均の株価指数 出所:日本経済新聞社、(株)ダイフクの株価情報より株式会社一五不動産情報サービスにて作成
注1:両指数は2016年5月30日の株価を100として算出。
注2:(株)ダイフクの海外受注高比率は66%に達し、特にアジアにおいて業容拡大している。日本国内における物流システム事業も拡大しているが、株価上昇は複合的な要因と考えられる。

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